tou法律事務所の顧問先にお話をお伺いするインタビュー。
今回は設立当初から顧問弁護士として依頼いただいているDAIJOBU株式会社の代表取締役山中様にお話をお伺いしました。
インタビュイー DAIJOBU株式会社 代表取締役 山中裕貴
2021年、京都大学総合人間学部入学。在学中に国内随一の長さを誇るNFTコレクション「VeryLongAnimals」の運営や、ブロックチェーン関連のシステム開発、マーケティグコンサルティング会社を経営。2024年1月、web3領域に特化したソフトウェアテスト・品質保証のDAIJOBU株式会社を創業。
インタビュアー ゆきの
金融機関や法律事務所の勤務を経て2023年よりWebライターとして活動開始。現在はWebライターと兼業でパラリーガルを務める。
SEO検定1級を所持しSEOライティングを中心に、ブログのディレクターやインタビュー記事など幅広く活動中。
事業内容は、web3という新しい領域に特化したソフトウェアのテスト品質事業をやっています。プロダクトの開発では、大雑把に7割くらいで開発し、バグを取り除いたりより品質を高めていくためのテストに3割の時間と労力が開発に費やされると言われているのですが、その3割のテストを専門特化して行う会社です。
全部話すとかなり長くなるんですけど(笑)、「ナイジェリアが将来的にくる」という話を聞いて、何かできないかなといろいろ探していたら、たまたまweb3系の開発をしている人に出会って、色々お困りごとを聞いていると品質周りにすごく課題感を持たれていて、これはめちゃくちゃニーズがあるのでは?と思い、この事業に行きつきました。
「VeryLongAnimals(ベリーロングアニマルズ)」という顔が長い動物のキャラクターを使ったweb3のプロジェクトが発端になっています。
Twitter(現:X)で(ナイジェリアの方々に)見つかって、すごくメッセージがくるようになったことがあったんです。30分でSNSの通知が300になってるみたいな。それにすごくエネルギーを感じて、とりあえず1回行ってみるかとナイジェリアに行ってみたんですが、現地の雰囲気とかエンジニアやITに興味がある若者にポテンシャルを感じてやってみるか、というのが出会いですね。
いえ、現在だと日本人で経験豊富なシニアQAエンジニアの方々が中心です。長期的には日本5:海外5くらいの売上比率にしていきたいとは考えていますが、今は日本のお客様が9割を超えているのでそうなっています。というのも、途中で気づいたんですが日本のお客さんのプロダクトは基本日本語なんですけど、ナイジェリアの人たちは英語なので、これは無理だってなってしまって(笑)。今は、ナイジェリアのチームには一部だけ担当してもらっていて、グローバルチームのメンバーが海外案件獲得に向けた活動をしています。
最初は何もわからない状態でしたが、法律周りは後々問題になりやすいので、任せる人がいるなと思ったためです。お客さんに対しても、メンバーに対しても色々な契約形態が必要となりますし、NDAの内容も異なるので、初期からちゃんと整えていこうという感じでした。特に創業初期のスタートアップは法務などバックオフィス周りが後手になりがちですが、適切に組織拡大をしていくことや大企業をお客様にしていくことを考えると、初期から頼れる顧問弁護士を見つけておくことが本当に事業に集中でき、成長につながるのだろうなと思っています。
web3などの新しい領域に詳しくて、コミュニケーションを取りやすい弁護士と言ったら西村弁護士しか思いつかなかった感じです。弁護士の人ってすごく怖いイメージ硬いイメージがあるんですけど、西村弁護士は真逆で。スタートアップにも対応できるし、新しい領域に関してもとてもキャッチアップが早くて、諸々サポートしてくださると思ってお願いすることにしました。
業務委託の方や副業の方を含めると、30人ぐらいですね。フルコミッション人材だと10人ぐらいになります。創業初期はすごく経験が豊富で力のあるメンバーを副業でもいいので関わっていただくことが事業成長を促してくれていると思っているので、さまざまな雇用形態で参加してもらっています。ちなみに、今後は正社員採用を本格化させていこうと考えています。
めちゃくちゃリモートです。(オフラインでは)月に1回、みんなで飲みに行ったりしているぐらいです。スタッフの中には北海道にいる方や、ちょっと前までイギリスに住んでいた方とかいろいろいるので、ほぼリモートですね。
この業界では売上を上げること=従業員を増やすということなので、属人化しない仕組みづくりを心がけています。あとは、後回しになりがちな組織図も作成しておき、予算もそこから計算できるようにしていますね。
また、一緒に働くメンバーについては、年齢や性別、働き方を問わずにいろんな方を採用するようにしています。主婦や学生の方もいらっしゃれば、大手企業・スタートアップ出身など多様な経歴をお持ちの方に働いてもらっていて、実際そのことがDAIJOBUという組織を強くしています。
ナイジェリアに40人ほどのスタッフが働ける規模のオフィス探しを進めています。1人以上の日本人スタッフがナイジェリアに常駐しているので、スタッフの滞在場所としても考えています。
また、教育としてテストの方法や日本流の仕事のやり方もレクチャーしています。ナイジェリアってすごくオペレーションが悪くて。たとえば、日本のすき家だと1人か2人でオペレーションを回していると思うんですが、ナイジェリアで同じことをしようと思うと15人ぐらいいるんですよね。そういった効率的な仕事のやり方もレクチャーしています。
オンラインでは、Discordを使って実践型のトレーニングも行っています。ただ、DAIJOBUで採用しているナイジェリアメンバーは基本的に若くてコードが読める優秀層なので、基本的にすぐにキャッチアップしてくれて、すごく活躍してくれていますね。
最初は株主間契約の作成から始まり、そこから対クライアント・対メンバーに対する契約書のひな形の作成をお願いしました。NDAや業務委託契約書、社内・社外の書類などひな形をひたすら作っていただきました。特殊なものでは、ナイジェリアに渡航する方の誓約書などもありましたね。
対クライアントのNDAだけでも複数種類がありますし、業務委託契約についても、請負型、納品物ありの準委任型、時給で換算する納品物なしの準委任型があります。社内メンバーに対しても、エンジニアなのかビジネスメンバーなのかによって契約書の中身も変わってきますし、時給で入るかどうかでも変わってくるので、今後数年で使うであろう契約書の土台を初期にまとめて作ってもらった形です。更に、ここから拡張していく形で、海外のクライアントやメンバーに対して、英語で契約書を作っていただいたりということもありました。
大企業の顧客だと、独自のフォーマットしか使えないパターンがあるので、その内容で問題がないか確認してもらうことが多いです。最近では、自分でもチェックができるようチェックするときに押さえておくポイントを教えてもらって、社内でチェックできる体制作りにも協力してもらっています。
tou法律事務所とDAIJOBU株式会社でSlackのチャンネルがあるので、そこでとても気楽にやりとりをしています。
僕以外だと、管理部や営業部のメンバーがチャンネルに入っているので、案件についてお伺いしたりもしています。レスポンスもすごく早いし、わかりやすい回答をくれるので助かっています。
将来必要になりそうな契約書などのひな形を初めに全部作れて、ナレッジをためれる土台を作っていただけたのは本当によかったなと思っています。
商談では、やっぱり契約書のリードタイムは短い方がよい中で、契約書の修正をしてくださいとお客さんからきたときに、(西村先生は)すぐに対応してくれるので、お客さんに提案できるのはとても助かっています。
現在はweb3特化としてやっていますが、AIやDXなどの新たな最先端領域にも展開をしていく予定です。それにあわせて、HPも一新する予定です。そのほか、新しいメンバー探しにも力を入れています。noteで発信をしたりPodcastの発信も積極的に行っていこうと思っているので、気になった方にはぜひ気軽にコンテンツに遊びに来ていただきたいです。
現在、事業戦略上、大手企業様を中心に提案量を増やしておりまして、そこから横展開してどんどん付加価値をgiveしていきたいなと考えております。大手企業様だと契約書周りがしっかりしていないと相手にしてもらえないときがあるので、そこをしっかりひな形を持って臨んだり、相手からの提案に対してしっかりと意見を言えるように信頼感をアップさせてどんどん横展開に繋げたいと思っていて。信頼感がすごく大事になってくるビジネスモデルなので、引き続きそういった部分のサポートをいただきたいです。
DAIJOBU株式会社
web3・AI領域に特化したソフトウェアの品質保証・テストの専門会社。「世界をもっとダイジョウブにする」をミッションに、品質のプロフェッショナルが顧客に伴走しながら効率的に不具合を検出し、より付加価値のある魅力的なプロダクト作りを提供している。