tou法律事務所の顧問先にお話をお伺いするインタビュー。
京都市内を中心にシェアモビリティサービスを展開している株式会社Clewの代表取締役西本様にお話をお伺いしました。
インタビュイー 株式会社Clew 代表取締役 西本統
高校卒業後、アメリカ・カリフォルニア州に留学し、2012年にUniversity of California San Diego経済学部経済学科を卒業。
卒業後は東京の大手上場企業に就職後、スタートアップ企業に参画。事業譲渡の形でサービスを引き継ぎ、株式会社Clewを設立する。
アプリ1つで京都のまちなかを便利に移動できるシェアモビリティサービス「CLEW」を展開している。
インタビュアー ゆきの
金融機関や法律事務所の勤務を経て2023年よりWebライターとして活動開始。
現在はWebライターと兼業でパラリーガルを務める。
SEO検定1級を所持しSEOライティングを中心に、ブログのディレクターや
インタビュー記事など幅広く活動中。
2021年に創業した京都のスタートアップベンチャー企業で、現在はメンバーとして4名、サポートメンバーとして3名の合計7名で運営をしています。事業内容は、京都エリアを中心に自転車をアプリ1つで貸し借りをできるシェアモビリティサービスの「CLEW」というサービスを展開しています。
当社の強みは、お得に、自由に、そしてお手軽に利用できるシェアサイクルサービスを提供しているところです。
とくに、料金面では初乗りだと地下鉄やバスでは230円程かかりますが、(クルーでは)10分88円で提供しています。自由という観点では、現在約400ヶ所ぐらいの(自転車を設置している)ポートを持っていて、(多くのポートがあれば)どこでも乗っていけることや、お手軽にという観点では、アプリ1つで24時間利用できたり、メンテナンスフリーといったところを提供しています。これによって、人々がシェアモビリティサービスCLEWを交通手段の当たり前の1つとして認知できるような形のものを作っていきたいなと考えています。
(自転車を配置する)ポートをご提供いただく土地地権者様に対しては、京都の地場企業として6年以上のシェアモビリティサービスの実績をもとに、地域の企業や事業者と連携しながらサービスを担保・提供していることなどをご説明しています。また、サービスのメインカラーに紫を採用している想いや、メンバーのサービスにかける想いなども説明し、サービスに対してまずは安心感を持っていただくことに努めています。そのうえで、福利厚生の観点、入居者サービスにつながることをご説明させていただくことで、サービスを導入いただいていると考えています。
2024年11月に木屋町にある立誠ひろばという元小学校跡地で地域の20店舗以上の地域店舗や企業様に集まっていただいて食フェスを開催しました。
その中で僕らは自転車を提供する企業として、協定を結んでいる京都府交通安全協会さんと連携し、自転車シミュレーターを用いた自転車のマナーアップ講習も実施しました。地域の方々に食という観点での発見をしてもらいながら、交通マナーの安全を周知とかをしながら土地に根ざした企業として、そういったことも取り組みをさせていただいております。
大手企業から出資などを受ける際に必要な出資契約書や株主間契約書などのリーガルレビューが発生したことがきっかけでした。
以前から契約書等はひな形があったため、今までは依頼してこなかったのですが、大手と実際にやっていくなかで専門性がなかったので、プロにお願いしたいという思いがありました。
また、スタートアップとして事業拡大をしていくなかで、法務のサポートは不可欠だという思いがずっとありましたので、これを機に依頼をさせていただきました。
知り合い経由で紹介していただいたのですが、実際にお話をさせて頂いて、すごく親身というか、頼りたいなと思える人柄を持っている方だなという印象がありました。士業の先生と言われる方は、近寄りがたい雰囲気や専門性が高すぎて質問がしづらいといったイメージがあったのですが、西村先生にはそういったものを感じず、うちのメンバー含めて全員柔らかい人だなという印象を持っていて、メンバーと相談して是非、西村先生にお願いをしたいなとなりました。
とくに印象に残っているのは、協業していた会社からの支払いが滞り、資金回収の目処が立たない状況に陥った際のことです。この件については、本業に集中したいという中でメンバーも頭を悩ませており、西村先生が事実関係の整理や論点の洗い出し含めてほとんど全部やってくださったので、本当に助かりました。
本来業務ではないところに時間を割かれるという事は、僕らのような少ないメンバーで運営している事業者としては、非常にしんどい部分だったのですが、西村先生に進めていただいて、差押え処理も含めて、資金をしっかりと回収いただけました。株主への説明や報告も重要だったので、本当にあらゆる面でありがたいなと感じました。
西村先生に依頼する前は、先方が「リーガルチェックかけます」と言ってきた際にも職務上の経験からある程度知見はありつつも、専門家ではない自分たちで判断せざるを得ないことに不安がつきまとう状況でした。そのような中、西村先生に出会えた結果プロにお任せすることができて、あるべき姿になったなと思っています。
僕自身が契約書のとある条項に疑問に思っていても先方にどのように説明すればよいかわからない、ということがよくあります。そのようなとき、西村先生は契約実務の一般的なあり方であったり国の指針だったりの根拠もコメントに入れてくれるので、先方に対しても法的に筋の通った意見を出すことができて助かっています。
もともとリーガルレビューだけお願いしようと思っていたところもあるのですが、些細なことでも気軽に相談できるところですね。
この内容誰に相談したらいいんだろうとなった際も、「一旦西村先生に相談してみたらいいんじゃない?」というのは、社内では結構浸透していて。そのうえ、緊急時を含めてどんな質問でも柔軟かつ迅速に答えていただけるのは、僕らの支えとなっており、その点は、大きな付加価値だと感じています。
コミュニケーションの方法としてはチャットベースという気軽さがありつつも、しっかりと相談にのっていただけるので、自分たちの本業に集中ができています。
スタートアップは、予想外の問題に直面することも多いですが、その度に的確なサポートをしていただいており、とても心強く感じています。スタートアップにとって、法務ってないと困るものだと思っていて、今後成長を考えるのであれば、もっと早く頼んでおけばよかったなと思っていますし、早くに依頼して悪いものではないかなと思っています。事業などいろんなことにチャレンジしている方々は、そこ(法務)はかけるべき投資であり、事業体として法務を専門家に依頼することは、あるべき姿だと考えています。
弊社では、シェアモビリティサービスを通じて「人々の世界を広げる」ことをミッションと置いており、その実現に向けて京都市内にステーションと呼ばれるシェアサイクルの拠点を、2026年中に500か所、5年以内に約1000か所程度設置して、より多くの方々が日常的に利用できる環境を整えて、京都においてCLEWが当たり前の交通手段の1つになることを目指しています。
地域社会の課題にも寄与できるようなアプリの開発もやっていきたいと思っています。アプリを開くことによって、イベントの情報などがわかる、移動するから開くアプリではなくて、開けばなにかの発見があるアプリを作っていきたいです。
僕らみたいに地域に貢献したいと思っている人もいると思うので、ボランティアの募集などもアプリを通じてやっていきたいなと思っています。
(アプリの)開発を通じて、シェアモビリティサービスの利便性や活動の幅を広げていきたいなと考えています。
新規プランの追加、さらには拠点の拡大や利用者の増加に伴い、個人情報の取り扱い含め私たちでは感知できない法的な側面での課題も増えてくると予想しています。
また、アプリを開発するにあたって関係者の知的財産権を含む権利関係の整理は不可欠だと思っています。システムの開発、そして新しいサービスを導入するに際して、法的リスクを未然に防ぐための対策が必要です。
そして、提携パートナー企業との円滑な協力体制の構築することで、事業を安定的に成長させることが可能になると考えており、これらの契約関係の調整も必要です。
このように法務の重要性はますます高まると感じており、引き続き的確なアドバイスをいただけることを期待しています。
株式会社Clew
「お得に、自由に、そしてお手軽に」利用できるシェアモビリティサービス「CLEW(クルー)」を京都市内最大規模で展開。京都のまちなかで、地元の方々や観光客に便利に利用していただけるサービスとして、多くの方々に支持されている。地域社会の課題解決に貢献しながら、CLEWを京都市内における「当たり前の交通手段」の1つにすることを目指している。